【翻訳記事】Third Time’s the Charm: 2012 Masters World Champion Team Analysis

 この記事はWCS2012で優勝したパーティの解説記事を翻訳したものです。例によって乱暴な翻訳ですが、最後までご覧頂けるとありがたいです。

原文:Third Time’s the Charm: 2012 Masters World Champion Team Analysis
http://nuggetbridge.com/reports/third-times-the-charm-masters-world-champion-team-analysis/

訳注:まあいつも通り、意訳を織り交ぜつつ翻訳していきます。誤訳や誤植はコメントかTwitterでご指摘お願いします。以下訳文。
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 まずは私の事を知らない皆様のために自己紹介をしよう、私の名前はRay Rizzo(Ray)で、私はポケモンのゲーム部門において3回世界チャンピオンになった。私は2010年にシニア部門(今日におけるシニア+マスターの部だ)において決勝で日本のYasuki Tochigi を破りチャンピオンとなり、2011年には新設されたマスター部門でイタリアのMatteo Gini (Matty) を破ることでタイトルを防衛した。今年、私は別の用事が詰まっていた。私はスイスラウンド無敗で突破したが、私に対抗してきたのは、日本予選2位のJumpei Yamamotoと、ベスト8の決勝トーナメント第1試合で当たった、アメリカ予選2位のJoe Pulkowski (sandman)と、そしてもちろん、決勝戦で戦った、アメリカ予選を2回優勝したWolfe Glick (Wolfey)だけだった(訳注:他は全部ストレート勝ちだったって意味でしょうか、もしそうなら恐ろしい……)。

※Wolfe Glickの構築と、彼の世界大会での経験に及び構築の分析についての続きを読む:Eggscelent Execution(このブログ内の翻訳記事にリンクしています。原文はリンク先上部より。)]

 しかしあなたは歴史を学ぶためにここに来ているわけではないだろう。これからあなたがここに来た理由、つまり私の構築についての話をしよう。去年私がWCSで使用した、ゴチルゼルや図太いボルトロスシュバルゴなどのようなあまり有名でないポケモンを特色にしたパーティと比べて、今年使用した構築はよりスタンダードなものだ。私は2枚の良い抵抗を持った高速ドラゴンと、トリックルームを使用してクレセリアメタグロス、そしてバンギラスを活用する低速部とを組み合わせることにした。



クレセリア@ オボンのみ
なまいき(S個体値0)
H220 B108 C180

 このクレセリアの構成はかなり一般的なものだ。多くのクレセリアと異なり、このクレセリアはそれほど耐久が高いわけではない。私はそれ単体で脅威となることができる、より攻撃的なクレセリアを選択した。C180振りしたクレセリアはH4振りのボーマンダを確定1発で落とすことができ、またサイコショックは特防が高い多くのポケモンに対処するために採用した。威張るはトリル下でメタグロスの無双体勢を整えるとともに、特殊アタッカーに対する防御的な抵抗として働く。なまいきS0クレセのSの実数値は81であり、これは次に紹介するポケモンを最大限に活用するために重要な数値となる。


メタグロス@ラムのみ
いじっぱり(S個体値14)
H252 A116 B4 D1​​36

 鋼タイプは、全てのドラゴンがジュエル流星群をぶっ放してくるこのメタゲームにおいては必要不可欠なものだ。あなたがメタグロスハッサム、もしくはヒードランからどれを選択するかどうかはあなたがどんなパーティを使っているかによるが、なんにせよ鋼タイプを使わないわけには行かないだろう。私は鋼枠としてはグロスが1番好きで、またグロスはこの構築に自然に入ってきた。メタグロスのS個体値を14にすることで実数値は82となり、これは私のクレセリアより1だけ高い数字となる。こうすることでトリックルーム下においてクレセリアメタグロスに威張るを打つことによって、Aを2段階上昇させ、そして即座に攻撃することができる。これはつまり、私がトリルターン中に相手に最も多くのダメージを蓄積させることを約束してくれる。ゲーム終盤でのトリルからの一掃を狙うために後発にクレセとグロスを控えさせておくというプレイングは、ゲームの展開を完璧に変える事ができる。グロスの技構成自体は一般的なものだ。私はバレットパンチより優先して地震を採用することにしたが、その理由としては私はまずトリックルームを展開してから先手でグロスを動かすことを前提としているから、そして相手のメタグロスに対して打点を取りたかったからである。H252B4振りしてあるのでこのメタグロスは相手のグロスの威張る地震を確定で耐えることができ、また攻撃面はH252B4振りのロトムを威張る思念で一撃で落とすように調整してある(訳注:指摘されて計算してみて気づいたのですが、これ落ちません。おそらく原文の誤植で、ボルトロスの間違いと思われます)。


サザンドラ@ドラゴンジュエル
おくびょう
H60 C252 S196

 サザンドラは私のお気に入りで、持論では最強のドラゴンだと思っている。このポケモンはまた、去年のWCSで使った構築から唯一連続で使ったポケモンでもある。サザンの特有のタイプはクレセグロスの組み合わせと非常に相性補完が良く、素晴らしい攻撃範囲もある。技構成は極めてシンプルなものだ。この構築におけるサザンドラの役目はジュエルで強化された流星群を使うことで読みミスやプレイミスをした相手に風穴を開けるかのように上から高打点を取ることであり、補完としての悪の波動と火炎放射は、クレセリアや鋼タイプのそれぞれに打点を取るために採用した。Sの努力値は、無補正102族までを抜くことができる程度に振った。


ガブリアス@ ハバンのみ
ようき
H36 A116 B4 D1​​96 S156

  • ドラゴンクロー
  • じしん
  • みがわり
  • まもる

 ガブリアスは、サザンドラと比べてやや特徴的な構成をしている。ちょうどサザンドラと同じように、ガブリアス努力値は無補正の100族及び102族を抜けるように振っている。H36D196振りは、ハバンのみと組み合わせることで、ラティのジュエル流星群を耐える確率を最大まで上げることができ、またA116振りをすることで、ラティオスをドラゴンクローで確定一発にすることを保証してくれる。身代わりはガブにとってとても重要な技で、相手のドラゴンや地面弱点に対しての読みを軽減することができる。身代わりはまた砂隠れや威張るを悪用することによってそれを場に残す確率を上げることができ、そして身代わりを場に置いたガブリアスを相手にしたいと思う人は居ないだろう。



バンギラス@ ヨプのみ
いじっぱり(S個体値0)
H252 A124 B36 D96

 このバンギラスは多くのバンギラスとはやや異なる構成をしている。技構成を見て明らかなように、このバンギラスは噛み砕くを採用していない。私はこの構築全体がかなりハッサムに弱いと感じていて、だから私は普段使用している噛み砕くの代わりに、一応ハッサムを見ることができる炎のパンチを採用することにした。幸運なことに、私はハッサム入りの構築に一度も当たらなかった(代わりにめざ炎クレセリアは4、5回目にしたが)。B36振りすることによりこのバンギはAが上昇していないメタグロスのコメパンを確定で耐えることができ、A124振りによってハッサムを炎のパンチで確定1発にすることができる。私は余った努力値を、ボルトロスボーマンダサザンドラなどの特殊アタッカーに対しての後出しをしやすくするためにDに回した。このバンギはトリル下での立ち回りと、S個体値0のニョロトノと対峙した際に砂状態を確保して天候合戦を有利に進めることの両方を考慮してS個体値を0に設定している。


ロトム水 @こだわりメガネ
ひかえめ
H228 B4 C12 D12 S252

 水ロトムは最も選出頻度が低いポケモンである。私は水ロトムを、相手のパーティ全体が中速域で固まっていて水ロトムでほとんどの相手を上から叩けると予測された場合か、雨パに対してしか選出しなかった。このロトムは、バンギラスによって天候を取った状態で無補正キングドラを抜けるようにSを振ってあり、またグドラの珠流星を耐えられるように耐久を配分してある。また、拘り眼鏡を持つことによって十分な火力を手に入れるため、Cの努力値が足りないとは思わなかった。めざ草は他の攻撃が全く通らない対トリトドン用で、雷は純粋に雨パ対策としてのみの技として採用した。なぜならば、私はトリックを採用していた時に一度としてそれを使用しなかったからだ。



 私が使用した構築はかなり一般的なものだったが、それは非常に良く働いてくれて、また多くのシナジーを持っているように感じた。私はWCSのメタゲームに合わせて幾つかのユニークな技構成を採用した。この構築を使う上でハッサムは私が唯一恐れているポケモンであったが、今回のメタゲーム上では無論私を含めて、苦手な相手が無い構築というものは存在しえなかった。うまくいけば、この記事を読んだ皆様は私がどのようにこのゲームについて考えているかについて少し分かるかもしれない、そして私は来年にバンクーバーで世界チャンプの座を防衛する際に、2011年に私がしたように素敵な何かを思いつけるように挑戦してみたいと思う。

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 というわけで、WCS2012優勝構築の解説記事、全文訳でした。誤訳や誤植はコメントかTwitterで指摘して頂けるとありがたいです。
 次回更新は未定です。ふつーのブログみたいに自分の構築をうpしたり、はたまたてきとーにどっかから記事を拾ってきて翻訳するかもしれません。この文章を翻訳してくれ、みたいなのがあったらコメントかTwitterで言ってくれれば、もしかしたら翻訳するかもね。
 原文を公開して下さったRay Rizzo様と、この記事を読んでくれた皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。海外記事の翻訳という分野がより活発になることを祈りつつ。

訳者:らす